Chapter 1 いくぞサイパン


(1)

サイパンへ行くことが決まったのは、8
頃でした。本当は、9月頃に行くつもりでしたが、既に飛行機はいっぱい。日本からサイパン行きの直行便は、JAL、NW の2社しかありません。それぞれ、日に1便の往復です。
また、9月は、サイパンで一番降雨量の多い時期でもあり、場合によってはハリケーンが来ることもあるようです。しかたがないので、10月に行くことになりました。

さて、出発までかなりの時間があります。そこで、事前のリサーチをインターネットで行うことにしました。いろいろサーチしても、サイパンの日本語の情報は多くありません。その中で、掲示板を持った、なかなか有用なホームページを見つけました。サイパンのウェスタン風レストラン カントリーハウス のホームページです。

ここでは、通称 Cowboy さんという方が現地の生情報を伝えてくれるのと、既に行って来た方の情報提供でかなりの盛り上がりを見せていました。それからの2ヶ月間、ここでの情報収集を中心にリサーチを行いました。

また、うちの家族は、2才と4才の幼児づれです。あまり自由が利きません。遊ぶにしても、パラセイリングや、バナナボート、スキューバダイビングなどは無理です。子供を預けることもできますが、年齢制限は大体が6才。今回は、子供たちにも楽しんでもらいたかったこともあり、プールの充実している、PIC (Pacific Island Club Saipan) に泊まることにしました。

PIC は、サイパンにある多くのホテルの中では、一番空港よりにあります。周りにホテルもあまりないし、ホテルの集中しているガラパン地区にくらべて、静かなところです。ただし、ショッピングや、食事をするには、やはりガラパン地区などへ移動しなくてはなりません。ということで、レンタカーも借りることにしました。子連れでなければ、空港からチェックアウトするのですが、空港で手続きをするのは、疲れている子供たちにはちょっと辛い。そこで、PIC にカウンターのあるダラーレンタカーで借りることにしました。

(2)

さて、いよいよ明日出発!というときになって、パッキングをしていたら、突然旅行代理店から電話がありました。

「お客様のお乗りになる予定の飛行機が、10時間遅れることになりました。」

なな、なんと!

「ちょっと、待ってください。こちらは、全てを自分で手配しています。既に多くの予約を取ってしまっています。10時間も遅れたら、すべてをキャンセルしなくてはならない。」
「機材の要因で遅れる場合は、免責になっております。」
「で、いつ着くんですか?」
「予定では、午後8時成田発、現地サイパンへは、午前0時着となります。」

なな、なんと!

「こっちは、2才と、4才の幼児連れなんだ。午前0時着などという時間は到底受け入れられない。その為に朝早くの便を利用するのだから。なんとかならないのか!」
「旅行代理店としては、航空会社の連絡をお伝えするしか有りません。我々にはどうしようもありません。」

とんでもないことになりました。子供たちは、明日の出発を楽しみにうきうきしています。パパとしては、とうてい10時間遅れをそのままにするわけにはいきません。4才の子供も状況を察知して不安そうにしています。

「パパ、いけなくなっちゃったの?」
「そんなことはない。大丈夫だ。」

いろいろ考えたあげく、JAL に直接交渉することにしました。その後、スッタモンダしたあげく、電話を何度も繰り返し、いろいろと話をして最終的には NW へ振り替えてもらうことができました。たぶん、小さな幼児2人連れ、というのが効いたのだと思います。NW だと、約1時間遅れになりますが、10時間遅れから比べれば、天と地。なんとかパパの面目を保つことができそうです。

「大丈夫、予定通り出発だ。」

(3)

NW 機上でも、席のレイアウトや、子供用機内食に関していろいろと問題がありました。その度に交渉と、ストレスの連続で、パパはかなり疲れました。

でも、着いてしまえば、こっちのもの!念のために、着いたその場で JAL カウンターでリコンファームをしておきました。何があるか、わかりませんからね。

ということで、とうとうサイパンに着きました!


サイパン空港です。

サイパン空港で、PIC の送迎を待ちましたが、他のツアーの方々は、コンダクターが迎えに来てつぎつぎと消えていきました。ところが、PIC の送迎はいつまでたっても来ません。PIC に電話をすると、
"He's already left.Please wate there,"そばやの出前じゃないんだからね〜。
しかし、結局ドライバーが飛行機の時間が遅れたと思い、2回目の電話でようやくこちらに向かったようでした。こういうことがあるとまずいということで、前日に国際電話で PIC に直接 NW に乗り換えたので、一時間遅れになるだけだ、と伝えていたのです。しかし、ここでも連絡不行き届きがあったようです。飛行場ではとうとう、我々だけになってしまい、子供たちも
「なんで、おむかえがこないの?」と不安そうでした。

ようやく迎えが来て、ホテルに着くことができました。空港から、車で10分ぐらいしかかかりませんでした。

ホテルのロビーは、落ち着いていて、なかなか良い感じです。


PIC のRegistration


ロビー

さっそくチェックインを済ましたところで、チーフらしき日本人がやってきて、
「この度は、お迎えが遅れて申し訳有りませんでした。」
と直々に案内してくれました。部屋へ着くと、そこはスイート。

「我々は、普通のツインをお願いしていたのですが。」
「いえ、こちらの事情ですが、アップグレードさせていただきました。」
「そうなんですか。」


部屋はなかなか良い感じです。

ところが、ダブルベッドがひとつと、エキストラ+ソファベッドしかない!これでは、子供がベッドから落ちてしまう。本来は、ダブルベッド二つに、エキストラ1つの予定だったのです。おまけに、スイートなので、別の部屋にソファベッドが置いてある。


ベッドルームも良い感じなんですが。

ま、スイートで広いし、子供には返って好都合かもしれません。多少の難はありましたが、この部屋でそのまま行くことにしました。

最初から、オーシャンビューをお願いしていましたが、PIC では、直接海に面している部屋は、1フロアーで、一室のスイートしかありません。たしかに、見晴らしは、最高でした。


窓からのオーシャンビュー とてもきれいでした

ようやく部屋について、子供たちもゆっくりできたようです。翌日は、PIC のプールで遊ぶ予定です。

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