Chapter 4 サイパンの海


(1)

サイパンは、サンゴ礁の上にできた島ですので、周りの海も、当然サンゴ礁の海が広がっています。島から大体数百メートル離れてリーフが囲み、ダイビングとしては、このリーフの外側、すなわちアウトリーフが良いポイントがあるようです。私たちは、小さい子供連れですので、ダイビングはできません。しかし、これでまったく海の中を覗かないで帰るのは、私にはできない相談です。ダイビングができなくても、シュノーケリングなら泳ぎの延長でできます。ただし、シュノーケリングでアウトリーフに出るのは危険ですので、もっぱらインリーフでシュノーケリングをしました。

子供たちもいるので、一人で長く潜っているわけにもいかず、チョコチョコっとインリーフの散歩をしてきました。サイパンのインリーフは、ナマコがたくさんいることからもわかるとおり、基本的に砂地です。アマモが群生しており、ところどころにサンゴ岩がポツンポツンとあります。魚たち(主として、スズメダイ類)はこの岩のまわりに住んでいるようです。


サイパンの海でシュノーケリングをすると、一番目に付くのがサヨリの仲間です。表層(というより、水面直下)を餌をさがして群れています。どうも、観光客が餌付けをしているために、人がいると、寄ってきます。


光が入ってしまい、あまり良く写っていません。サヨリの群です。

また、ハギの仲間も多く、砂地を歩いていると、ムラサメモンガラが突進してきます。足をどつかれました。ムラサメモンガラ以外にも、ハギの中間が砂地を泳ぎ回っています。


砂地を徘徊している、ハギの仲間。(これはムラサメモンガラではない。)

よく見かけたムラサメモンガラは、泳ぐスピードが速すぎて、写真に撮れませんでした。

サイパンの海岸で有名なのは、ナマコでしょう。砂地にたくさん居たのは、クロナマコで他の種類は見かけませんでした。


ナマコは砂を食べては、きれいにして出している。砂の上に、きれいになった砂のだんごが見える。

クロナマコは、比較的小さいナマコの種類ですが、ここに居たクロナマコは、大体20cmから、30cmぐらいありました。

ところどころにある小さい岩場には、意外と多くの種類の魚がいました。


小さなキタマクラもたくさんいました。

砂の上にも、ハゼや、ベラの仲間が多くいました。


オジサン、トラギス、ベラの仲間の集合!?


餌をあさる、オジサン。本当に、そういう名前の魚なんです。

さて、砂地のため、残念ながら、サンゴ類はあまり見かけられません。殆どのサンゴは、やはり高水温で昨年、一昨年とかなりやられた、という話でした。とはいえ、ところどころに、サンゴを見ることができます。


あまり色がよく写っていませんが、実際はとてもきれいでした。


岩の透き間にサンゴが生えています。


キクメイシや、ハマサンゴ。以前は、もっと大きな群体だったのか?


ピンク色のきれいなサンゴ。

砂地が基本のために、ホテルの前の海や、マニャガハ島には、あまりサンゴ礁は見られません。しかし、それでもよく見るとたくましくサンゴがその勢力を広げようとしているのがわかります。また、ナマコや、多くのアマモによって、淀みがちな遠浅の砂地でも、それなりの透明度があり、海水はとてもきれいでした。パパは、一人で潜ってしまい、やはり家族のヒンシュクを浴びたのでした。

Chapter 5 は、今回行った、レストランについてです。


Chapter 5